他の業界同様に、引越し業界にも大手の業者があります。
大手と中小の引越し業者とでは、どう違うのでしょうか？
まず大手と一口にいっても、更に大きく分けて二つのタイプに分かれます。
一つは、引越しのみを専門に経営されているタイプの引越し業者です。
一般の方は驚かれるかもしれませんが、意外と引越しのみを専門に行なっている引越し業者は少ないんです。
引越し以外の運送業を行なっていたり、凄いところは外車販売や全く引越しと関係のないことを行なっていて、その売り上げを入れて大手を名乗っているところもあるんです。
それがもう一つのタイプです。
このタイプの違いによって、どちらが良いかということを言い切れるわけではありませんが、やはり引越しのみを専門に経営している引越し業者のほうが、細かな部分にまで注意が行き届いている印象があります。
引越しの作業では、頻繁に荷物や家具の破損が発生します。
これを少しでも減らすには、作業員の作業レベルを高く保つ必要があります。
ただ、引越しというのは毎日コンスタントに仕事があるわけではないので、多くの引越し業者では仕事の少ない日に常勤（正社員）の作業員の数を合わせて少なめに抑えています。
そして、週末などの多い日には短期バイトや日雇いや下請けを利用することが多いです。
短期バイトや下請けは、普段引越しに従事していない者が多いので、こういった作業員の割合が多い引越し業者は、破損やトラブルの発生する確率が高くなります。
大手の引越し業者は、このあたりを解決することによって信用を積み重ねて、そして大手になった経緯が有ります。
良質の大手は、仕事が多い週末にあわせて常勤の作業員を雇っています。
ただ、正社員だけではなく、契約社員や長期のバイトなどをなるべく増やす努力をしているんです。
週末だけしか雇わないのでは稼げないということで来てくれませんので、平日もコンスタントに引越しの仕事があるように、営業マンが必死になって平日にも仕事をとるようにしています。
この為に最も用いられる方法は、値引きです。
週末などの人気日を希望しているユーザーを平日に日程変更してもらうために、思い切った値引きを行なうんです。
そうすることによって、コンスタントに毎日仕事があるようになるので、作業員の作業レベルが保てます。
私が業界にいて感じたのは、この部分を経営者が分かっているかが大事だということでした。
不景気で安易に引越し業界に参入してくる運送業者が多かったですが、大抵の場合上記のことが分かってないので、撤退することになっていました。
つまり、大手であるかどうかは関係ないのかも分かりません。
そして、このことをしっかり理解して引越し業界で戦っている企業は、必ずと言っていいほど大手になっています。
是非参考にしてください。 |
